こんな悩み、ありませんか?

たぬ吉 たぬ吉
今年の売上、だいたい見えてきたんじゃが……来年いくら持っていかれるか考えると夜も眠れんのう
ぴよ ぴよ
確定申告で税金を払うのは知ってますけど、それだけじゃないって聞いて怖いです……

今年の利益が見えてきた時期だからこそ考えたいのが、来年出ていくお金です。所得税だけだと思っていると、住民税・国民健康保険料・場合によっては個人事業税と、続けざまに請求が届いて面食らいます。正体と時期さえ分かれば、対策は難しくありません。

ハリマネ ハリマネ
結論、所得の2〜3割前後は翌年に出ていくと考えておくと安全です。
正体は所得税だけじゃなく4つの請求。今日はその全部と、いつ来るかを一緒に見ていきます🦔

この先の申告作業は、私はスマホのタックスナップで10分で済ませています。判断材料は本音レビューにまとめました。

結論:翌年出ていくのは所得税だけじゃない

今年の利益(売上−経費)が見えてきたら、翌年の家計に空けておくべき「税金の枠」もだいたい見積もれます。答えを先に言うと、所得の2〜3割前後——これが所得税・住民税・国民健康保険料の合計としてよく言われる目安です(ただし国民健康保険料は自治体差が大きく、一律の割合は存在しません。詳しくは後述します)。

※ビジネスカードの年会費については、以下の記事で紹介しています。

関連記事【仕訳例つき】法人カード・ビジネスカードの年会費は経費になる?勘定科目と落とし穴

翌年あなたに請求されうるものは、大きく分けて次の4つです。

確定申告で払う
所得税
利益に応じて
5〜45%の累進課税
6月に通知
住民税
前年所得の
およそ10%+均等割
6月に通知
国民健康保険料
自治体で計算方法が
まったく違う
業種次第
個人事業税
対象業種のみ
事業主控除290万円

この4つに加えて、課税売上1,000万円を超えていれば消費税も対象になりますが、免税事業者(課税売上1,000万円以下・インボイス未登録)なら消費税の申告・納付は不要です(国税庁No.6501)。開業したてで免税事業者の方は、まず上の4つだけ意識すれば十分です。

ハリマネ ハリマネ
怖いのは金額そのものより「いつ・何が来るか分からない」こと。
正体さえ分かれば、対策は「先に取り分けておく」だけです🦔

いつ来るか——税金カレンダー

実はここが一番大事なところです。同じ「税金」でも、来る月がバラバラだからこそ「まとめて痛い」と感じやすいんです。時系列で並べるとこうなります。

税金がやってくるカレンダー
2〜3月確定申告。所得税の金額が確定し、納期限も3月中旬(振替納税なら実際の引き落としは4月下旬)
6月住民税・国民健康保険料の通知書が届く(前年の所得をもとに市区町村が計算)
6〜翌3月住民税(年4回)・国民健康保険料(自治体により8〜10回)を分割で納付
8月・11月個人事業税(対象業種のみ)を年2回で納付

※納付回数・時期は自治体・年度により変わります。最新の日程は各通知書・自治体公式サイトでご確認ください(確認日:2026年7月)。

つまり6月と8月が一番の山場です。住民税・国保の通知が同時に来て、個人事業税の対象者はそこに8月分が重なります。この2ヶ月に備えておくだけで、体感の怖さはかなり減ります。

ハリマネ ハリマネ
6月・8月に山があると分かっていれば、備えようがあります。
「いつか来る不安」を「いつ来るか分かってる予定」に変える——それがこの記事の目的です🦔

それぞれいくらか——ざっくりの計算式

所得税:利益に応じた累進課税

所得税は、青色申告特別控除(最大65万円)などを引いた課税所得に対して、次の速算表で計算されます(国税庁No.2260、令和7年4月1日現在)。

  • 課税所得195万円以下:税率5%
  • 195万円超330万円以下:税率10%(控除97,500円)
  • 330万円超695万円以下:税率20%(控除427,500円)
  • 695万円超900万円以下:税率23%(控除636,000円)

たとえば課税所得300万円なら「300万円×10%−97,500円=約20.3万円」がざっくりの所得税です(このほかに基準所得税額の2.1%が復興特別所得税として上乗せされます)。

住民税:所得割+均等割

住民税は前年の所得をもとに、所得割(多くの自治体で合計10%程度)と均等割(数千円)で計算されます。事業所得者は基本的に普通徴収(自分で納付書を使って払う方式)で、6月に届く通知書に沿って年4回(6月・8月・10月・翌1月)で納めます。

国民健康保険料:自治体でまったく違う

ここは正直に書きます。国民健康保険料には全国一律の目安がありません。所得割・均等割(自治体により平等割も)の組み合わせで計算され、料率も方式も市区町村の条例次第。同じ所得・家族構成でも、住む場所が変われば保険料が変わります。6月頃に通知書が届き、自治体により8〜10回に分けて翌年3月まで納付するのが一般的です。正確な額は、お住まいの自治体の試算ツールか通知書でしか分かりません——ここだけは「ざっくり」が通用しない領域です。

ハリマネは実際こうしてる

開業して最初に届いた住民税と国民健康保険料の通知書は、独立後の私の売上ではなく、前年まで業務委託で鍼灸院に入っていた頃の年収(400万円ほど)をもとに計算された金額でした。私はもともと業務委託だったので、国民健康保険は開業後もそのまま継続で、金額のレンジも知っていました。なので通知書そのものは想定内です。驚きはありませんでした。

それでもキツかった。独立直後はまだ売上が育っていないのに、請求は「前年の稼ぎ」で来ます。結局生活費から回して払いました。金額を知っていることと、その金額が自分の口座から出ていくことは、まったく別の話でした。世の中の人が「税金が高い」と言う、あの言葉の意味が本当に分かったのはこのときです。

なので開業1年目の人には、いつもこう言っています。1年目に備えるべきは「今年の利益に対する税金」ではなく、「前年の所得に対する請求」です。前年が勤務や業務委託なら、その年収から逆算しておく。それだけで6月の通知書が「怖いもの」から「予定」に変わります。

個人事業税は「業種」と「保険診療かどうか」で変わる

個人事業税は、地方税法で定められた特定の業種にだけかかる税金です。はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の施術業は、この対象業種(第三種事業・税率3%)に含まれます(地方税法72条の2、東京都主税局・大阪府等で確認)。「医療系の資格業だから非課税」というのはよくある誤解で、実際は課税対象です。

ただし2つの例外があります。ひとつは両眼の視力を喪失した方など、政令で定める視力障害のある方が自ら行う施術は非課税という規定。もうひとつは、社会保険診療報酬(保険診療分)に対応する所得は非課税で、自由診療分の所得だけが課税対象という規定です(鳥取県・和歌山県公式で確認)。さらに、事業主控除として年290万円が所得から差し引かれるので、事業所得(自由診療分)が290万円以下なら納税自体が発生しません。

たぬ吉 たぬ吉
つまり保険診療がなくて、利益も290万円以下なら払わんでええ、ということか
ぴよ ぴよ
自由診療メインの鍼灸院だと、利益次第では対象になるかもしれないんですね

この記事を最初に書いたとき、私はここに「私の鍼灸院にはまだ通知が来ていません。控除額を超えれば、届く可能性があると考えています」と書いていました。

そして2026年8月、その通知が本当に届きました。金額は7,400円。自由診療分の所得が事業主控除290万円を超え、はみ出した分に税率3%がかかった計算です。納付書どおりに納めるだけで、手続きは何もいりませんでした(個人事業税は確定申告のデータから自治体が計算して送ってくるので、こちらから申告する必要はありません)。

受け取ってみての正直な感想は、「思っていたよりずっと小さかった」です。対象になる前は「かかったらいくら取られるんだろう」とぼんやり怖かったのに、金額を見たら拍子抜けしました。しかも払った個人事業税は経費(租税公課)になるので、来年の税金を少し減らしてくれます。税金の怖さは、いつも正体が見える前が最大です。

対策:税金の分だけ先に「見えなくする」

金額を正確に予測するより効果があるのは、売上が入った時点で、税金分をあらかじめ別口座に移してしまうことです。手元にあると使ってしまうお金も、最初から「ない」ことにしてしまえば使いようがありません。

事業用の口座をまだ分けていない方は、まずそこから。振り分けの受け皿さえあれば、この記事の話は全部「仕組み」で解決できます。

よくある質問

Q. 開業1年目でも住民税や国民健康保険の請求は来ますか?

来ます。住民税・国民健康保険料は前年の所得をもとに計算されるため、独立直後で売上が育っていなくても、前年に勤務や業務委託の収入があればその金額をもとに請求が届きます。1年目に備えるべきは「今年の利益に対する税金」ではなく「前年の所得に対する請求」です。前年の年収から逆算しておくと、6月の通知書が「怖いもの」から「予定」に変わります。

Q. 鍼灸師や柔道整復師にも個人事業税はかかりますか?

はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の施術業は、個人事業税の対象業種(第三種事業・税率3%)に含まれます。「医療系の資格業だから非課税」はよくある誤解です。ただし保険診療分に対応する所得は非課税で、事業主控除290万円以下なら納税自体が発生しません

Q. 正確な税額が分からないのに、どうやって備えればいいですか?

金額を正確に予測するより、売上が入った時点で税金分を別口座に先取りしてしまうほうが効果があります。目安は所得の2〜3割前後で、山場は6月と8月の2回と先に分かっています。国民健康保険料など一律の目安がない部分は、お住まいの自治体の試算ツールか通知書で確認しつつ、「仕組み」で解決するのが確実です。

※事業用口座については、以下の記事で紹介しています。

関連記事【選び方は軸3つだけ】事業用口座はどこで作る?個人事業主の選定基準

※確定申告でカード明細をどう使ったか全記録については、以下の記事で紹介しています。

関連記事【受付初日に出す派の実録】確定申告でカード明細をどう使ったか全記録

まとめ

翌年に来るのは所得税だけでなく、住民税・国民健康保険料・(業種によっては)個人事業税の最大4つで、目安として所得の2〜3割前後を見込んでおくと安全です。山場は6月(住民税・国保の通知)と8月(国保の支払い開始・個人事業税の対象者は第1期)の2回で、これはカレンダーとして先に分かっているぶん備えようがあります。国民健康保険料と個人事業税は自治体・業種によって金額も対象の有無も変わるので、正確な額は通知書か公式の窓口で確認しつつ、売上が入った時点で税金分を別口座に先取りする仕組みさえ作っておけば、翌年の請求に慌てることはなくなります。

たぬ吉 たぬ吉
怖いのは金額じゃのうて、いつ来るか分からんことじゃったんじゃな
ぴよ ぴよ
先に分かってれば、備えられますもんね!

節税まわりの判断は、共済・iDeCo・NISAの整理とセットでどうぞ。

\ 次に読むなら /小規模企業共済とiDeCo、僕がどちらもやっていない理由|NISAを選んだ判断
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ハリマネ
実店舗を経営する現役の個人事業主(鍼灸院をやっています)。事業のお金・経費・クレジットカードのことを、同じ立場の目線で「どこよりもわかりやすく」を目標に発信中。広告運用も帳簿も予約システムも、全部自分で触ってみる派のハリネズミです🦔