【必要な人・不要な人】ビジネスカード(法人カード)は個人事業主にいらない?
こんな悩み、ありませんか?
たぬ吉
ぴよ
「事業用に分ける」のは全員やるべきですが、「ビジネスカード(法人カードとも呼ばれます)」という商品が必要とは限りません。実は私自身、ビジネスカードを持っていません。その理由も含めて正直に整理します。
「事業を始めたらビジネスカード」という空気に押されて年会費を払い始め、機能を使わないまま更新月を迎える——そんな人を何人も見てきました。この記事では、ビジネスカードにしかない機能を並べたうえで、必要な人・不要な人の分かれ目と、3つの質問で分かる判定チャートを用意しています。読めば自分が「要る側」か「要らない側」か、3分で判定できます。
ハリマネ
なお、事業用カードをまだ決めていない人は、選定基準を全部公開した比較記事から読むと迷いが減ります。
結論:「分ける」は必須。「ビジネスカード」は任意
まず言葉の整理です。よく混ざるのですが、この2つは別の話です。
- 事業用に分ける — 事業の支払い専用のカードを1枚決めること。個人カードでも成立する
- ビジネスカードを持つ — 事業者向けに設計された商品(法人カード・ビジネスカード)を契約すること
経理がラクになる・お金の流れが見えるという恩恵は「分ける」だけで手に入ります。ビジネスカードは、その上で特定の機能が必要な人だけが選ぶ道具です。
ハリマネ
ビジネスカードは”必要になってから”で間に合います🦔
ぴよ
ハリマネ
ぴよ
ハリマネ
ぴよ
ハリマネ
「法人カード」は個人事業主でも申し込める?——名前の誤解を先に解く
ここまで「ビジネスカード」と書いてきましたが、検索では「法人カード」という言葉もよく使われます。実はこの2つ、ほぼ同じものを指しています。ただし言葉から誤解が生まれやすいので、先に整理します。
| よくある誤解 | 実際 |
|---|---|
| 法人カードは株式会社などの「法人」しか申し込めない | 多くのカードは個人事業主も申込対象です。カード会社が「法人カード」と呼んでいても、個人事業主向けの審査区分(個人与信型)が用意されています |
| 法人カード=ビジネスカードより上位の特別な商品 | 呼び方の違いだけで、商品としての線引きは会社によって異なります。同じ枠組みの中で「法人カード」「ビジネスカード」「事業用カード」が使い分けられているだけです |
※対象者・審査区分は各カードの公式サイトで必ずご確認ください。
つまり「法人カードいらない」で検索して来た個人事業主の方も、この記事の内容がそのまま当てはまります。「法人カードを持つべきか」という問いは「ビジネスカードを持つべきか」という問いと同じで、答えも同じです——限度額・従業員カード・支払いサイトの3つにニーズがなければ、不要です。
唯一違うのは本当に法人化(法人成り)する場合です。個人事業主の屋号では申し込めないカードが出てきて、口座もカードも法人名義に切り替える作業が発生します。法人化を具体的に検討している方は、以下の記事に切り替えの段取りをまとめています。
※法人成り前後のカード切り替えについては、以下の記事で紹介しています。
関連記事法人成り前後のクレジットカード切り替えガイド|慌てないための段取り
私がビジネスカードを持っていない理由
開業するとき、「自営業なら法人カード(ビジネスカード)を作るものかな」と一度は考えました。でも中身を調べてみたら、私には要らなかった。理由を正直に言うと、ビジネスカードならではの機能を必要とするほどの資金繰りニーズがないからです。
ビジネスカードの強みのひとつは、支払いサイトを延ばせること。仕入れの支払いを2〜3ヶ月後にして、手元のキャッシュをなるべく厚く持っておく——これは大きく事業を回している人には死活問題です。でも私の事業規模だと、そのニーズが小さい。鍼灸院の仕入れは鍼やお灸、消耗品が中心で月2万円ほど。支払いを何ヶ月も後ろに倒したいような大きな仕入れが、そもそもありません。それに、妻も正社員として働いてくれていて、家計の土台が安定しているのも大きいです。
従業員用の追加カードも、私には縁がありません。これからも一人でやり切ると決めているからです。前の職場で、スタッフ同士の摩擦を横で見続けるのが正直しんどかった。患者さんのために背負う心の負荷ならいい。でもスタッフ同士の感情のぶつかり合いは、自分にはどうしても受け止めきれなかった。なので誰のせいにもせず、誰にも悲しい思いをさせないために、一人という道を選んでいます。
つまり「ビジネスカードが悪い」のではなく、「私の事業には過剰だった」。この判断軸をそのまま記事にしたのが今回です。
施術用のベッドで言うと、私はむしろ開業時から電動ベッドを入れました。安いベッドなら5,000円で済むところをです。理由は、自分の腰=商売道具を守れて、施術のパフォーマンスが段違いに上がるから。「元が取れる」と判断したものには、迷わず払います。逆にビジネスカードは、中身を見て「今の自分には元が取れない」と判断したから作らなかった。世間の“正解”ではなく、自分にとって払う価値があるかで決める——それだけです。カードは逃げないので、必要になった時に作れば十分です。
私が事業専用にしているのはGMOあおぞらネット銀行のデビットカードです。口座残高の範囲でしか使えないので、クレジットの限度額のように「枠が足りない」で止まることがなく、使いすぎも自動で防げます。
ただ弱点もあって、デビットはガソリンスタンドで使えないことがある。なので今からゼロで選ぶなら、私は年会費無料の楽天カードを事業専用にすると思います。
持たずに3年目——決済が止まったことは一度もない
「いらない」と口で言うだけなら誰でもできるので、持たずに回してきた3年分の実測値を置いておきます。私の事業の支払いは、事業用口座のデビットカードと、事業専用にした個人向けカード1枚の2本立てです。
※経費27万円の内訳は下の実録記事で全公開しています。
広告費もサブスクも仕入れも、この体制で3年つまずいていません。月27万円の経費のなかみは実店舗経営の経費内訳を全公開した記事に載せているので、「この規模ならビジネスカードなしで回るのか」の判断材料にしてください。あなたの決済額がこの数倍あるなら、次の章の機能一覧が効いてきます。
ビジネスカードにしかない機能とは何か
個人カードとの違いとしてよく挙がるのは次のあたりです(内容は各カードで異なるので、検討時は公式サイトでご確認を)。
- 限度額が大きめ — 事業の決済額に耐える枠設計
- 従業員用の追加カードや経費精算機能 — 人を雇っている事業者向け
- 支払いサイトの調整 — 資金繰りの余裕を作る
- ビジネス系優待 — 会計ソフト割引・出張サービスなど
逆に言うと、この一覧に「欲しい!」がなければ、個人カードを1枚事業専用にするだけで足ります。
判断チャート:3つの質問でわかる
次の3問に答えてみてください。
- Q1. 月の事業決済額に対して、いまのカードの限度額は足りている?
- Q2. 従業員にカードを持たせる予定はある?
- Q3. 支払いを後ろに延ばしてキャッシュを厚く持ちたい局面がある?
Q1が「足りている」で、Q2・Q3が「ない」なら、あなたに今ビジネスカードは要りません。個人カードの事業専用化で十分です。逆にどれか1つでも引っかかるなら、ビジネスカードを検討する価値があります。
ハリマネ
一人で回している間は、この4つが刺さらなくて当然です🦔
たぬ吉
ぴよ
「いらない」と決めた人の次の一手
ビジネスカード不要と判断したら、やることは手持ちカードの事業専用化か、年会費無料の事業向けカードを1枚だけ作ることです。どちらでも経理の恩恵は同じです。
将来、事業が育って限度額や資金繰りのニーズが出てきたら、そのとき改めてこの記事の3問に戻ってきてください。答えが変わっていたら、それが作りどきです。
※事業用クレジットカードの限度額については、以下の記事で紹介しています。
関連記事事業用クレジットカードの限度額が足りない時の対処法4つ|広告費で詰まる前に
よくある質問
Q. 個人事業主ならビジネスカードを持つのが当たり前ではないのですか?
「事業用に分ける」のは全員やるべきですが、ビジネスカードという商品が必要とは限りません。経理がラクになる・お金の流れが見えるという恩恵は「分ける」だけで手に入り、個人カードを1枚事業専用にするだけでも成立します。ビジネスカードは、その上で特定の機能が必要な人だけが選ぶ道具です。
Q. 自分にビジネスカードが必要かどうか、どう判断すればいいですか?
「月の事業決済額に対して限度額は足りているか」「従業員にカードを持たせる予定はあるか」「支払いを後ろに延ばしてキャッシュを厚く持ちたい局面はあるか」の3問に答えてください。3つともNOなら、あなたに今ビジネスカードは要りません。どれか1つでも引っかかるなら、検討する価値があります。
Q. 今は不要でも、後から必要になったら困りませんか?
困りません。カードは逃げないので、必要になった時に作れば十分です。将来、事業が育って限度額や資金繰りのニーズが出てきたら、そのとき改めて3問チャートに戻って判定し直してください。答えが変わっていたら、それが作りどきです。
※個人事業主のクレジットカード比較については、以下の記事で紹介しています。
関連記事【選定基準全公開】個人事業主のクレジットカード比較|おすすめランキングを信じる前に
※個人事業主については、以下の記事で紹介しています。
関連記事【個人カードとの違いを全部説明】個人事業主は事業用クレジットカードを作るべき?
Q. 法人カードは個人事業主にいらないですか?
結論はビジネスカードと同じです。「事業用に分ける」のは必須ですが、「法人カード」という商品自体は任意です。多くの法人カードは個人事業主も申込対象で、限度額・従業員カード・支払いサイトのいずれにもニーズがなければ、個人カードを1枚事業専用にするだけで十分です。本当に法人化(法人成り)する場合だけは話が別で、屋号では使えなくなるカードが出てくるため名義の切り替えが必要になります。
まとめ
「事業用に分ける」は全員必須ですが、ビジネスカードという商品は、限度額・従業員カード・支払いサイトのニーズがある人だけの道具です。3問チャートがすべてNOなら、個人カードの事業専用化だけで経理の恩恵はまるごと手に入ります——実際、私もビジネスカードなしで回せています。迷ったら、まず年会費無料の事業用カードを1枚決めるところから始めてください。
たぬ吉
ぴよ
審査や規約の不安が消えたら、あとは作る順番だけです。この1本で迷いがなくなります。
\ 次に読むなら /開業1年目に作るべきクレジットカードの順番|STEP0から始める失敗しない戦略
